ガンを防ぐ自律神経は内臓の働きを調整する際に、それぞれ神経の末端から神経伝達物質を分泌します。
交感神経から分泌されるアドレナリンには、心臓の鼓動を速め、血管を収縮させて血圧を上げる作用があります。アドレナリンは心身を緊張、興奮させて、戦闘態勢モードを作ります。
そのため、ひたいに青筋を立てて怒っているような人を「あの人はアドレナリン漬けだ」などと言うのです。
これに対し、副交感神経から分泌されるアセチルコリンは、心臓の鼓動を遅くし、血管を拡張して血圧を下げ、体のスイッチを休息・リラックスモードに入れるとともに、臓器の分泌・排泄の働きを促進する作用があります。
お笑い番組を見ているときなど、心身がリラックスしているときは、笑いすぎて涙や唾液が出てきますが、これはアセチルコリンが細胞の分泌・排泄の働きを促しているからです。
そういう状態は、ガンを治したり防ぐのに良い状態です。免疫力が上がるからです。
交感神経が優位になっているときは、60兆個の細胞すべてがアドレナリンの作用を受けて活動モードに入っており、あらゆる物質の分泌がストップします。
副交感神経が優位のときは、すべての細胞がアセチルコリンの作用を受けてリラックスモードに入り、食物を分解するための酵素(体内での化学反応を促す物質)を分泌したり、老廃物を排泄しています。
このように自律神経が、「よ~い、どん!」と60兆個すべての細胞の働きを同調させているおかげで、私たちは独立した個体として生命活動を営むことができるわけです。
この自律神経は内臓だけでなく、体をガンから守る白血球の働きも調整しています。