中東・ペルシャ湾岸は、世界最大の石油資源の宝庫です。

この地域のほとんどの国は、原油取引がドル建てであることと、米国との貿易関係の深さから、自国通貨を事実上ドルに連動させてきました。

中東・ペルシャ湾岸における地域協力機構「湾岸協力会議(GCC)」に加盟するアラブ首長国連邦(UAE)、オマーン、カタール、クウェート、サウジアラビア、バーレーンの6カ国は、クウェート以外はドルペッグ制を採用しています。

なぜそうしているかというと、自国通貨の乱高下によるFX為替差損を少なくできるからです。ところが、ドルペッグ制を導入すると、金融政策を米国に合わせなければならないというデメリットがあります。

もし自分の国でインフレ(急激な物価上昇)が起こりそうでも、米国経済が低迷して低金利政策になっていれば、政策金利を引き上げられません。

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金利はFXの為替レート(通貨の価値)に大きな影響を及ぼすため、為替レートを一定に保っためには米国と金利水準を合わせる必要があるからです。

実際、GCC諸国では2008年半ばまで続いた原油価格の高騰に引きずられて物価全体が上昇し、インフレに悩まされていました。

そうしたなか、米国では2007年夏のサブプライムローン危機以降、逆に経済が減速し始め、同年9月から政策金利の引き下げを実施。しかたなく右に習えで政策金利を引き下げたGCC諸国は、さらなるインフレに襲われたのです。

こうした状況を何とかしたいと、GCC加盟国は2010年に通貨統合を実現する案を打ち出しています。理想モデルは、欧州の統一通貨ユーロ。

経済面の連携も進め、関税同盟(関税をゼロにする協定)や共同市場(製品や貨本の移動に税金をかけない協定)も実現してきました。次は通貨の統一という段階です。

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現在のところ、バーレーン、クウェート、カタール、サウジアラビアの4カ国は、予定通り計画を進めるという協定にサインしています。

ですが、オマーンは2006年、期限までに経済的な基準をクリアできないとの理由でメンバーから外れました。UAEも、GCC首脳級会合で将来の中央銀行がサウジアラビアの首都リヤドに置かれる決定がなされたことに反発し、GCC事務局に対して通貨統合には参加しない意向を伝えたと報道されています。

UAEは、GCC加盟国の中でサウジアラビアに次ぐ第2の経済大国です。この国が抜けたとなると、通貨統合への道は険しくなったといえそうです。