例えば、並んで車に乗っていた2人は、ともに首や体のどこかに傷害をうけたという点では同じかもしれません。

けれど1人はひどい痛みに苦しむ一方で、1人はいとも簡単に痛みを払いのけて、元の暮らしに戻っていくというようなことがあります。

痛みが生活の妨げとなって、QOL(生活の質)の低下や自尊心の喪失にまで至る人があるかと思えば、痛みを感じつつもそれを苦痛と思わず、何とか日々の活動に戻る道を見つけ、精いっぱいできることをしようとする人もいるのです。

つまり、X線写真で痛みが読み取れない場合、患者が、首その他の障害のために感じている痛みや不快感、苦痛の程度を、的確に評価することは簡単ではないというべきでしょう。

この首の痛みは全部気のせい?

脳が働いていなければ何も感じませんし、言うまでもなく痛みも感じません。けれど脳が働いていれば、首に何か痛みがあるときはすぐに察知して、何とかそれに対処しようとするでしょう。

痛みが軽度で、原因も首を捻ったからだとか、つまずいた拍子に急激に動かしたからだと承知していれば、まもなく治まると思って心配もしません。

痛みを和らげるために冷湿布をしたり、アスピリンやタイレノール(成分名:アセトアミノフェン)、アリーブ(成分名:ナプロキセン)、アドビル(成分名:イブプロフェン)などの薬を飲むくらいです。

首痛の薬の解説

一方、強い痛みを伴う障害から回復したばかりで、まだ痛みは完全には取れていなかったが、明確な理由もなくまた痛みだしたというのであれば、対処のしかたはずいぶんちがったものになるでしょう。